水と血の感触。

今回も腹部の所見についての話です。
腹診では、経絡や蔵府の働きのアンバランスによる水や血の停滞を、診察することができます。
例えば、
下焦(おへその下)が冷えることにより、水が停滞した場合
ストレスや冷えなどの気の停滞により血が停滞した場合
体内の水が、熱を受けて粘ってしまい痰となり、それが停滞している場合
などなどいろんな病態があります!!
ところで、同じ停滞でも、水と血ではその手に伝わる感覚に違いが有ります。
水が停滞している場合は脂肪が少し堅くなったような感じです。
一方、血の停滞には筋張った堅さがあります。
そして老痰と呼ばれる痰が古くなった状態のものは、筋のような感じではないが、脂肪よりは一段深いところに、粘るようなものを触れます。
腹部には蔵府があるので、その停滞が深い部分にあればあるほど、病気の根も深くなり、治すのに時間が必要になります。
また、手で触る感覚以外にも鍼を刺入したときの鍼先の感覚にも違いがあり、それでも病態を把握することができます!!