原因を掴んでいるかどうか?

漢方薬の原典と言われる『傷寒論』という書物があります。
傷寒(しょうかん)というのは、今でいうインフルエンザのようなものですが、
それにとどまらず普通の風邪や胃腸炎などあらゆる感染症の話が出てきます。
それらを治療する方法論として、【汗】【吐】【下(大・小)】というものがあります。
これらは、感染症によって起こされた身体の冷えや熱を外へ出していく方法です。
実は漢方薬を飲まなくても、自然に治っていく過程において、汗をかいたり、吐いたり、大・小の便通が変わることで身体は病気を治しています!
ここまでくればわかるかもしれませんが、止めてはいけない嘔吐や下痢も存在するという事です。
ただし、ここでいう止めていけないとは、原因すら掴まずに、”とりあえず止めておこう”という態度のものを指します。
前述の傷寒論では、嘔吐の症状に【下す】という方法を取ったりします。
これは、「胃に熱が篭っている」という原因があってその熱を取るために下します。
これも嘔吐を止めるための方法ですが、”とりあえず”というものとは、まったく違うことがわかると思います。
要は、それらが起こっている原因をきちんと掴んでいるかどうかなのです!!




