無何有(むかゆう)的薬膳論 その②

昨日投稿した「その①」では、薬膳を二つに分けて考えることをお話ししました。
今回の本題に入る前に、少し漢方薬の話をします。
前回お話ししたように生薬や食材には、五味というものがあり、五つの味のそれぞれが身体に違った作用を及ぼします。
漢方薬は、それらの味の作用を組み合わせて、病気の身体が正常に戻るように働きかけます。
病気の身体は人それぞれ違っているもの。
したがって、漢方薬の処方には、身体を診察し適切な薬を選ぶ必要があるのです!
何が言いたいのかというと、漢方薬と薬膳料理の両者は、五味で以って病気を治療し、身体を養うという共通点があります。
したがって漢方薬と薬膳料理とでは、その作用の強さに違いはあるものの、人それぞれの身体の状態に合わせ、適切なものを選ぶという点では、同じように考えるべきだ。
というのが、無何有(むかゆう)の考えです。
中国古代の書籍には、いろいろな医者の中で「食医」というものがでてきます。
おそらく日常の食事における五味を管理して病を未然に防ぐという役割であったろうと思われます。
そして、この「食医」こそが最も位が高かったという事ですから、その重要性がわかります。
このように考えると薬膳は、生薬が入っている料理だから良いというわけでなく、人それぞれに合わせてこそ真の薬膳と言えるのではないでしょうか?




