胃痛(胃炎・胃潰瘍)・胃もたれと鍼灸治療

東洋医学の脈診書を紐解くと、「胃気が脈にあるのが大事」との記載があります。
胃は、飲食物から気・血・水を作り出すために、最も重要な役割を果たします。
したがって、前述の胃気が脈に現れているという事は、いわば生きるための必須要素であるということなのです!!
そんな胃という器官に起こる痛みは、食欲不振をまねいたり、便秘や下痢といった消化不良につながることもあります。
無何有(むかゆう)では、そんな胃の働きについて、身近なあるものを例えとして考えています。
そのあるものとは何かというと、それは【鍋】です!!
火にかけられた鍋の中に飲食物が入ってきて、それをグツグツ煮ることで消化しているというイメージです。
もし、鍋が何らかの原因により熱を持ちすぎてしまうと、炎症が起こってしまいます。
逆に火力が弱くなるなどして、鍋が冷えてしまうと、消化不良が起こります。
このように、胃痛や胃もたれといった症状には、胃の寒熱がどちらかに偏ったことで起こるものがあります。
また、ストレスがかかったりすると胃痛が起こる神経性胃炎。
これはストレスなどによる緊張が、鍋(胃)を圧迫して内部空間を狭くし、圧力鍋と化したことによるものと考えるとイメージが湧きやすいかと思います。
さらに胃内停水という状況がありますが、その状況をつくる要因として胃中の過剰な熱が挙げられます。
というのも、過剰な熱になってしまった時、人間の身体は水を使ってその熱を冷まそうとします。
その水が胃内にとどまり、胃の働きが低下してしまうのです。
いくつかのケースをあげましたが、他にも胃痛や胃もたれの原因となり、紹介しきないほど多岐にわたるのですが、
鍋である胃が、飲食物を煮込んで消化するという働きの中において、
火力の強弱
煮詰まらないようにする水分補充
鍋自体の損壊の有無
鍋に入ってくる飲食物の質
などに注目することで、その解決法を導き出すことができるのです!!
このように考えることで長患いの慢性胃炎でも、改善の糸口が見えることがあります。
まずは、鍋の状況から観察してみましょう!!




