脈は変わる。

無何有(むかゆう)では、脈診を診察の根幹としています。
鍼をうった後、その効果が現れているかどうかを診るために、すぐに脈診をすることもよくあります。
そのようにしていると「鍼をして脈が変わるのですか?」という質問を受けます。
脈は変わります。
臨床ではそんなことしませんが、適当に鍼をしても脈は変わってくれます。
ただし、変わるだけではダメなのです。
重要なのは、どのように変わるか?なのです。
例えば、ストレスなどで身体が過緊張状態の時、脈も同様に緊張した張りの強い脈になっていますが、その場合脈が緩まなければなりません。
逆に、運動不足や暴飲暴食により、消化器系が弱っていると、脈は締まりのない脈になります。その場合は少しキュッとする変化がなければならないのです。
このように脈がどのように変わればいいのか?ということは、身体の状態によって違ってきます。
その中で、堅すぎず柔らかすぎず、程よく力のある脈が、健康体の脈とされるのですが、これを掴むのに数年はかかると言われます。
脈拍数、血圧だけでは表現しきれない奥深さが脈診にはあります。




