その時、胃腸は冷えていたのか?

先週から今週にかけて患者さんに多く見られたのが【下痢・軟便】といった症状。
原因は先週末の気温の低下にあります。
寒気(冷気)が体内に入ってきたことにより、それが症状を起こしたと考えられます。
一般にいう身体を冷やして、お腹を壊したというものなのですが、この時胃腸は本当に冷えているのか?というのが今回の話です。
東洋医学において胃腸が属する【腑】は陽気=身体を温めるものが多い場所と考えます。
それは食べたものを鍋で煮込むようにして消化するというイメージで考えているからです。
そのイメージで言うと鍋は胃腸そのものになります。鍋が冷えていれば食べ物は煮込めませんので、もし胃腸が冷えてしまえば消化ができないし食べ物を大小の便に変化させることすらできないということになります。
つまり、胃腸そのものが冷えるというのは、死を意識するほどのよっぽどの状況であるということなのです。
では、なぜ先ほど気温の低下が原因でお腹を壊したといったのかと言うと、寒気が体内に侵入しようとした時に、身体がそれを排除しようとした姿だからです。
腸内に寒気が入ってきたものを排便によって外に出すという身体の生理反応と捉えるわけなんです。
確かに胃腸に寒気が入ってきていますが、胃腸そのものが冷えているわけでないというところがポイントです。
今回、当院で見られた患者さんも多くはそのパターンで、寒気が出て行ってしまった後は、通常に戻っています。
逆に腸内の熱が多くあり過ぎて、その熱を排出するための【下痢・軟便】というのもあります。
このような時に下痢止めを飲むと寒気が出ることができなくなるので、身体にとっては良くないことになります。
出していい【下痢・軟便】もあるということを覚えておいてください。