鍼と無意識。

「鍼は人体にどのように作用しているのか?」
これは患者さんにもよく質問をされます。
東洋医学的に話せば、
【鍼をすることにより絡脈の気を動かす→繋がっている経脈および内臓の働きを調える】
となりますが、気?経脈?ってなる方も多いのではないかと思います。
そんな時に当院では【無意識】という言葉で説明しています。
体表に鍼をすると身体には無意識下において色々な反応が起こります。
鍼をした局所だけにおいても、末梢循環の変化、発汗、皮膚の発赤などが挙げられます。
そして、この無意識下の反応は内臓にも起こります。
鍼をした瞬間からお腹がグルグル動き出すという経験をした方もおられるかと思います。
これらの無意識下の反応は、体表のすべての部位において全く同じではなく、部位によって違いがあります。
お腹が動くこともあれば、尿意を催す、心拍が落ち着くこともあったりするわけです。
つまり、鍼は無意識下の反応に作用することによって、体表とその部位に関連性のある臓腑の働きを調えているということなのです。
これに気付いた中国古代の医者たちが人体を研究して見つけたのが【経脈】というもの。
経脈には、胃経、肺経、腎経など五臓六腑の名前が付けられており、それがその部位における臓腑との関連性を示します。
また、鍼の施術は体表→内臓ですが、病気の起こり方としては内臓→体表ということももちろんあり得ます。
暴飲暴食後に足の脛が張る、だるくなるなどは、胃と胃経の関連性における無意識下の反応のひとつです。