鍼と意識。

前回のブログで「鍼は人体にどのように作用するか?」という話をしました。
その中で【無意識下の反応】という言葉で解説させていただきました。
当院では、鍼灸というものは【意識を誘導する】ことでも身体に作用しているのではないかと考えています。
例えば、東洋医学から発展した武術や自己鍛錬法などでは、臍下丹田を重要視します。
臍下丹田に意識を集中させることで、全身の気を安定させ力を発揮することができるというものです。
また、座禅などで用いる呼吸法においても同様に臍下丹田まで気を降ろすことを意識します。
これらは本人が意識をすることにより、気の流れが臍下丹田に集まるということが起きています。
鍼灸医学の世界では、臍下丹田には関元というツボがあってそこに鍼や灸をすると、気が集まります。
これには前回の無意識下の反応ともに、鍼や灸の感覚を得ることにより意識が関元に向いて気が集まるということも起こっています。
つまり、鍼や灸が意識を誘導することで、気の動きが起こっていると表現できるのです。
鍼や灸にはいろいろな技があり、それぞれで人体に与える感覚は変わります。
その違いにより気の動き方も集まったり、逆に散っていったりします。
鍼灸施術は意識・無意識に作用することで、それらを上手く使って身体の気の流れを正常に戻していくものというわけなのです。