日本語の中にある「気」

日本語の中には【気】を用いた慣用句が多くあります。
例えば【気が立つ】という言葉。
「イライラしている」や「興奮している」などの時に使います。
この場合の「立つ」というのは、「立ち上がる」に近いニュアンスで、下から上への動きを表しています。
下から上へ何が動くかというと【気】が動いています。
そして、その作用が血液に及びますので「頭に血が昇る」につながっていきます。
そして「気」が立ちあがり「血」が昇り、頭に集中するとそこは熱を持ち始めます。
すると頭から汗をかいてその熱を逃がそうとするので「頭から湯気を立てる」という状態になります。
「気が立つ」「頭に血が昇る」「頭から湯気を立てる」
いずれも、イライラ、興奮状態を表す言葉ですが、まずは気が下から上へ動くことから始まり、血が昇り、熱がこもる状態になっているのです。
そして、このような状態が長く続いている方は、頭痛、肩こり、めまい、のぼせなどの上半身の症状が多くあります。
人体の中ではイライラや興奮するような状況に対し、肝臓が代謝をあげ対応している状態です。
つまり「気が立つ」とは「肝気が立つ」なのです。
ですので、その際には、肝臓に関わる部位に施術をすることが多くなります。
【気】というものを東洋医学の用語を用いて説明すると、ピンと来なくても、日常用いる言葉からなら入りやすくないでしょうか?
気という文字が入る慣用句は100以上あるそうです。
また機会があれば他の慣用句でも、解釈を試みたいと思います。