百薬の長とは言うものの・・。

お酒が百薬の長と言えるのは、適量までである。
というのは、知っていながらも、実行するのが難しい!!
毎度毎度、酒を飲んでは二日酔いに後悔するという方も多いのではないでしょうか?
『徒然草』の中でも「百薬の長とはいへど、万の病は酒よりこそ起れ。」というのがでてくるように、今も昔も病気を引き起こす要因として、よく知られています。
薬として絶賛されながらも、よろずの病の原因とされ、相反する評価を持つ酒。
酒の気味を調べてみると、甘(辛・苦)にして大熱とあります。そして毒ありとも
あります。
身体の中に入れば、その熱の力を借りて、気血がめぐり、冷えを散らしてくれるという効果が期待できます。
ただし、それが過ぎると身体が熱に偏るので、病気になってしまうということなのです。
酒の毒というのは、この熱によるところが大きく、熱の蓄積が大病をも引き起こしてしまいます。
ところで、東洋医学では人間の感情は、五臓という身体の内側にある蔵の中にしまわれていると考えます。
もし、蔵を閉じる力が、お酒の熱気によって弱まると、中から感情が出てきます。
怒ったり、泣いたり、普段は言わないことを話したりというのを、気味から考えるとこのような解釈となるのです。
普段はしまわれているはずの、感情が出入り自由になりますから、自分を抑えて量を減らすということも、当然難しくなります。
二日酔いも、熱が残っていることが原因で起こるので、残り熱がある経絡を見定めて鍼をすれば、酔いは早く醒めます!!