情報の活用

最近はインターネットで東洋医学のいろんな情報を手にすることができます。
「○○の時は、このツボを刺激しましょう」
「こんな症状があるときは、漢方薬がおすすめです」
といった内容もあります。
指でツボを刺激するくらいなら、ちょっと方法が違っても大事にはなりませんが、漢方薬を飲むとなると話は別です。
漢方薬は一般の方でも専門家でも同じ効果がでるからです。
ある患者さん、この方は相当ネットサーフィンで情報を得たようで、東洋医学の専門的なことも良くご存知でした。
しかし、にもかかわらずその方は間違った漢方薬を飲んでいました。
ネットの情報を間違って解釈してしまったからです。
そして様々な漢方薬を試しては、「効かない」と思っていたということです。
東洋医学が効かない医学だからではありません。
間違った解釈により、効かない漢方薬を選んでしまったのです。
ネット上で判断できるのは、病症(身体に出ている症状)によるものだけです。
私たち専門家でも病症のみの判断は、100%とは言い切れないのです。
それに加えて、脈診、腹診などで身体の状態を多角的に診ることで、初めてしっかりした判断がつくのです。
それほど、身体に現れる様々な症状の分析は難しいものがあります。
ネット上に東洋医学の情報が多く出るのはいいことだけれども、最終判断は専門家におまかせいただいた方が無難です。
情報を得ることは簡単になりましたが、情報を活用するのは難しい時代になりました。