「先生も【もらう】ことってあるんですか?」

いつの間にか前回から半年も過ぎていました・・・。
無何有(むかゆう)の質問コーナー第13弾です。
今回の質問はこちら。
「先生も【もらう】ことってあるんですか?」
ちょっと訳ありの人と会った後に「どっと疲れた」という事があったという方からのご質問です。
人と多く接する仕事の方からもよくこのような話を聞きます。
東洋医学的な解釈から言えば【もらう】というよりは【影響を受ける】という言い方がフィットします。
人間の生体において正常な気の流れを乱してしまう気のことを邪気と言い、そこから病気が発生しますが、もっとも頻繁に起こるのが自然界の「風」の影響を受けたことで起こる「風邪」です。
風というのは季節ごとに風向きがある程度決まっています。
しかし、天の気が乱れていると通常とは違う方角から吹くこともあります。
そのような風に長く当たっていると、病気を起こしやすいと東洋医学では考えます。
この原理と同じように、重病の方や訳ありの方のように正常とは大きく違う気の流れをしている方と接することで、こちらの気の流れを乱してしまい起こるのが【もらう】という現象です。
つまり邪気が入ってくるというのではなく、あくまでも乱れるのは自分の気の流れということになります。
このように考えると【もらう】という現象は自分の気の流れさえしっかりしておけば起こらないということができます。
乱されるような隙が自分にあるから、悪い影響を受けて疲れてしまうのです。
最初の質問の答えに戻ると、私自身も施術の後に「どっと疲れる」という経験はあります。
しかし、これは自分にまだ隙があるという証拠ですので、反省しなければならないことなのです。
常日頃から心身ともに安定した隙のない状態をキープすることが【もらう=影響を受ける】現象を遠ざける術なのです。




