うつ・不安感・心身症
心と身体を安定させるために無何有はこう考える。 Introduction

ストレスや悩み事など心理的な問題から病気になる方が増えています。
それらは気力が湧かない、うつ傾向、不安感がとれないなどメンタルへの影響だけにとどまらず、肉体的にも多くの症状を起こします。
ストレスや悩み事など心理的な問題がきっかけとなって、症状が始まったり、症状の悪化など見られる疾患の総称を心身症と言います。
代表的なものはストレス状況が続くことによって起こる胃炎や胃潰瘍がありますが、他にもさまざまな病気があります。
代表的な心身症
神経系疾患 | 自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠 |
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運動器系疾患 | 関節リウマチ・頚肩腕症候群・腰痛 |
循環器系疾患 | 本態性高血圧・低血圧症・動悸・狭心症 |
呼吸器系疾患 | 喘息・過換気症候群・呼吸困難 |
消化器系疾患 | 胃炎・胃十二指腸潰瘍・過敏性腸症候群・便秘 |
代謝内分秘系疾患 | 甲状腺機能亢進症(バセドウ病) |
生殖泌尿器系疾患 | 陰萎(インポテンツ)・夜尿症 |
婦人科系疾患 | 生理痛・月経不順・月経前症候群(PMS) |
皮膚科系疾患 | アトピー性皮膚炎・慢性じんましん |
ストレスの身体への影響から考える心身症のメカニズム。 Understanding
東洋医学の視点でみれば、ストレスや悩み、精神疲労を抱えた身体の状態において、最も影響を受けている臓器が一つあります。
その臓器とは肝臓です。
肝臓は普段心がストレスを受けた時に、身体の活動を高め緊張させることで、それに対処する力を持っています。
しかし、心身症の身体においては、長期間のストレスなどにより、その防御反応が強く働きすぎたり、制御できなかったりすることで、身体のいろいろな部分の恒常性が損なわれてしまっているのです。
つまり、東洋医学的には、ストレスに対処しようとした身体(肝臓)の問題と言えます。
気力が湧かない・うつの状態はストレスに対処し続けることで肝臓が疲れてしまい、活力を失った状態。
一方、不安感の強い時は、肝臓の反応が強すぎ、それが制御できないことで、心拍に影響を与えてしまい、その拍動により不安を感じるようになります。
症状によってはパニック障害と言われることもあります。
前述の表に記載されている疾患は、その肝臓の反応が他の臓器に影響を及ぼすことで生じるものです。
肝臓の状態を見極め、ストレスへの反応を安定させる。 Approach

施術においては肝臓の状態によって大きく二つの方向性が考えられます。
①:反応が強すぎる時は、肝臓を落ち着かせる。
②:肝臓の活力が下がっている時はそれを助ける。
前者の場合は発散のイメージです。強すぎる肝臓の反応を発散させることで減らします。
他の蔵にも影響している場合はそちらも合わせて処置をします。
一方後者においては、肝臓の力を助けるように持っていきます。
ここでも、他の臓器の助けを必要とするときはそちらも合わせて処置します。
実は身体が良くなることでメンタルも良くなるということは少なくありません。これは身体の問題の方ウェイトを占める割合が大きかったことを示します。
その上で、ストレスに対し
①:ストレス発散を心がける。
②:心を落ち着かせてストレスへの反応を減らす.。
というように日常の養生を考えて肝臓の負担を減らすよう持っていきます。
心の問題と片付けてしまうのではなく、身体もしっかりとケアすることでストレスへの反応を安定させることを目指します。