関節痛(腱鞘炎・膝痛など)
関節痛に対する無何有の考え方とは? Introduction

関節部分に痛みがあれば、骨や筋肉の問題と言われることが多いと思いますが、そこに内臓の関与があることは一般にはあまり言われません。
しかし、骨や筋肉などが、何から作られているかと言えば、その大本は食べ物しかありません。
それを消化して骨や筋肉の栄養とするのは内臓ですので、骨や筋肉の異常であっても、内臓の不調から起こることがありうるのです。
特に慢性化しているものほど、そのようになっていることが多く、内臓の働きがよくなれば、痛みが治まっていくことがあります。
関節痛の身体を診ていく時の2つの観点。 Understanding
五臓六腑にはそれぞれ経絡というものがあります。内臓と四肢末端をつなげる血管のようなものです。
関節に痛みがある場合、まず最初の観点としてどの経絡に属する部分で痛みが出ているのかを考えます。
例えばオスグッド病の膝痛なら胃の経絡上、膝裏なら膀胱の経絡上の痛みとみていきます。
もちろん、それだけで胃が悪い、膀胱が悪いを判断するわけでありません。関連する内臓の働きをみて関節の痛みにどのような影響を及ぼしているかを考えます。
そして、もう一つの観点は関節という組織全体に関する見方です。
関節は骨と筋肉(靭帯)や関節内部の滑液などで構成されていますが、筋肉そのものの強度、柔軟性によっては関節の動きに影響がでますし、滑液の量や質も同様です。
東洋医学においては筋肉の質は肝臓、滑液などの水分の生成と循環は腎臓が関わる部分になります。
つまり、それらの臓器の働きによっては関節痛を起こす要因となりうるわけです。
慢性化した状態の時ほど内臓へのアプローチが大事になる。 Approach

痛みを起こしている関節の状態は【寒】か【熱】のいずれかです。
局所的な話で言えば、それらを取り除けば痛みは緩和されます。
お風呂に入ると楽になるやアイシングすると痛みがマシになるというものです。
鍼灸施術においても同様の効果を目指して施術する場合がありますが、その観点からの施術のみだと、その時は楽になるけどまた痛くなることが多いです。
当院では前述のように、患部が属する経絡からの観点、関節を構成する筋肉や関節液に関わる臓器の働きからの観点をもって改善を目指します。
慢性化している時ほどこれらの視点が大事で、これを続けていくと
①:元に戻りにくくなる。
②:身体全体が良くなる。
となり、例え無理をしてしまっても「前よりはマシ」と底が上がった状態となり、良くなった状態をキープしやすくなります。