主訴:つわり(妊娠悪阻)
胃のムカムカから始まり吐き気がひどくなる。水を飲んでも吐いてしまう。
心当たりが合ったので病院に行くと懐妊とのこと。病院検査でケトン体が出ていたため、点滴に通っている。
■東洋医学的診断と鍼灸治療
この方の脈は左右共に濡脈という脈でした。
濡脈は陽気が不足して水の動きが悪くなったことを示す脈で、水の動きが悪くなったというところがこの方のつわりの問題点になります。
腹部に目をやるとへそから上の部分、ここでは胃の状態を見ますが、ここが盛り上がった形になっています。
これは先ほどの水の動きの悪さが胃にあるということを示しています。
さらに背部の下方、臀部あたりにむくみが出ていました。これも同じく水の動きの悪さによるもの。
ここでは陽気の動きが少ないがために膀胱の作用が低下していることを指します。
以上から胃及び膀胱の陽気不足により停滞した水が妊娠の身体の変化により溢れたつわり(悪阻)症状と判断し治療を行いました。
最初の施術は足にある胃の経絡のツボを用いました。そこで気持ち悪いながらもなんとか食べることはできる身体に変化。
その後、水の動きを高める膀胱経のツボなどを用いていくと徐々に食べられることが増え、施術後の2日くらいは気持ち悪さもかなり減少するとのこと。
その際、尿量が増え水の動きが出ていることを確認.
そのまま2週間に1度くらいの施術で、4ヶ月目半ばごろにはほぼ消失。赤ちゃんの成長も順調とのことです。