主訴:下痢(軟便)と上腹部の冷感
普段から下痢(軟便)傾向にある。症状は朝に多く、他の症状としては、アレルギー性の鼻炎がある。
■東洋医学的診断と治療
この方の脈の特徴は、右脈にあります。
右脈には、肺と大腸の働きを調べる場所がありますが、その部分がやや堅く触れます。
また、腹診をすると、おへその右側から右下にかけて、熱感があります。
下痢や軟便は、冷やすと起こりやすいと考えがちですが、実は胃腸の熱によるものも多く、この方も熱によるものです。
上腹部の冷感があるということですが、これは胃腸の熱が、表側に浮いて出てきたことによるものです。
その証拠に胃の経絡や大腸の経絡が流れている鼻の炎症があるからです。
以上から、胃腸の熱が胃経、大腸経に波及することで起こった下痢(軟便)と判断し施術を行いました。
おへその両側にある天枢というツボや、その下方にある大巨というツボで腸の熱を動かし、大腸や胃の経絡にある三里というツボを合わせて、胃腸の熱を減らしていくようします。
何回か施術を行うと、右下腹部の堅さと熱感が減り、それに合わせて便通も整っていったということです。