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社会問題にもなっているように、ここ最近でかなりお問い合わせの数が増えているのが、不妊症・不育症に関するものです。
東洋医学においては、成長の過程において腎臓の気が盛んになっていき、腎臓の精血が旺盛になることで、妊娠・出産が可能となると考えます。
これを【天癸(てんき)至る】と言い、妊娠・出産の基本要素として考えます。女性の場合は二十八歳頃が最も旺盛となり、子供を授かりやすくなります。
そして三十五歳頃から、腎臓の気が衰え始めます。そのため、この年齢の頃から子供が授かりにくくなってしまうのです。
実際に科学的なデータにおいても、三十五歳以降に妊娠率が下がることが示されています。
ただ、腎臓の気が衰え【天癸(てんき)が尽きる】までは、子供を授かる可能性はあります。
それが四十九歳頃とされていますので、実際に四十代以降で妊娠される方がおられますし、当院でも四十代の妊娠例があります。
妊娠・出産においては、前述した腎臓の気と母体の【血】が重要です。
腎臓の精血が旺盛であるということは、排卵、受精、着床・妊娠に至る、卵巣・子宮の働きが正常であることを指します。
母体の【血】が質・量・循環と正常であれば、胎児の身体を成長させる根幹が備わっていると考えます。
当院ではそのことをふまえ、不妊症・不育症と言われる状態において、次の二つのポイントを診ていきます。
これらに関わるのは下の三つの臓器でそれぞれこのような役割があります。
つまり、①や②のポイントにおいて、上記の三つの臓器の働きのどこに障害があって上手くいっていないのかを探り施術をしていくことになります。
西暦1100年ごろに書かれた中国の書物には、こうあります。
“もし、子供を求めるならば、まず先に夫婦双方の臓腑の弱り、古い病気を治療して、気を和平にする”
無何有(むかゆう)での、不妊鍼灸でも同じ考えに基づいており、身体全体が元気になっていくことも重要なポイントと考えています。
実際に、不妊症・不育症のお悩みの方には、普段の月経におけるトラブルや身体の他の部位のお悩みがあることも少なくありません。
ですので、不妊症・不育症だからといって、どのような状態でも同じツボに鍼やお灸をしていくという方法では、東洋医学的不妊鍼灸とは言えません。
不妊・不育に至ってしまったメカニズムを一人一人の身体において明らかにすること。
その上で、身体全体を調える施術をしていくことが、東洋医学的姿勢になります。
この施術は東洋医学全般に精通していなければできない鍼灸施術です。
無何有(むかゆう)では、あらゆる疾患の施術の中で培った技術で、一人一人の身体に本当に合っている施術を行うようにしています。