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東洋医学においては、六腑の【胃】を中心とした器官において、食べたものから水穀の精(栄養素)を取り出し、身体に必要な気血水に変換して身体を維持していると考えます。
このページで解説する便秘や下痢(軟便)、腹鳴、腹脹などは、その過程でなんらかの問題があることを示すもので、胃腸のみならず他の臓器の働きを診るための指標となる場合があります。
胃腸の働きは鍋で例えるとわかりやすいです。
鍋自体が【胃腸】で、鍋の中の食材がそのまま食べたものになります。
つまり、食べたものを鍋で煮込んでいく様子が消化なのです。
最終的には、鍋で煮込んだ食材の残りが便として排泄されるというわけになります。
便秘や下痢などの症状を分析する際には、大きく分けて二つのポイントがあります。
例えば胃腸の熱量が多すぎる場合、それは鍋の熱が強すぎて中身の水分が飛んで行ってしまった状態と言えます。つまり、便がコロコロになっている姿です。
また、胃腸の熱が通常より多くなった場合、その熱を緊急避難的に排泄しようとする働きが起こり、軟便になるということも起こり得ます。
逆に胃腸の熱量が弱く消化しきれてない状態においては、食べたものがそのまま便として出ていく清穀下痢といった症状もあります。
一方、食物を運ぶ力の不足では、胃腸内食物が停滞し、お腹が張りやすくなったり、腹鳴が起こりやすくなります。
腹脹は胃腸内の熱が多くなった場合でも起こりますが、専門的には腹満と言います。
便秘や下痢(軟便)、腹鳴、腹脹の症状を施術するにあたり、熱が多ければ熱を減らし、冷えていればそれを温め、運ぶ力が弱っていればそれを助けるということを行っていきます。
当院の臨床においては、これらの症状の多くは熱に偏り、食物を運ぶ力が弱っているという方が多いです。
これは現代社会の食生活というもの無関係ではなく、飽食の時代、欧米の食事といったものが影響をしていますし、ストレス環境における胃腸への影響も考慮する必要があります。
いずれにせよ、胃腸の【寒熱】と食物を【運ぶ力】に注目し、どこからの影響でそうなったかを調べていくことで対処法を導き出していきます。