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出産後の母体が妊娠前の状態に回復していく期間のことを【産褥期(さんじょくき)】と言い、この期間は6週間~8週間と言われています。
一昔前は「産後の肥立ちが悪く・・」などということがあったように、出産による消耗は回復するのに時間がかかるものなのです。
中国の昔の書籍に『金匱要略』という本があります。
その中で産後の婦人に起こる諸病の原因として書いてあるのが、【産後血虚】というもの。
血虚とは、血の減少や働きの低下を示す言葉です。つまり、出産によって血が減少することから病気が起こると考えているのです。
ここにおける血の減少とは、単純に出産時の出血のみを指すものではなく、疲労を起こすような体力の低下、内臓の働きの減少も含む気血の減少を指すと思ってください。
その血虚状態において最も影響を受けやすいのが【肝臓】です。
東洋医学における肝臓は【活動力を生み出す】器官として考えます。
肝臓が血虚の影響を受けることで生じるのが産後うつなどのメンタル疾患です。
活動力を生み出す臓器に血が足りないわけですので、気持ちの活動も落ちることになります。
逆に活動力が足りない状態において、無理に頑張ろうとする、もしくは頑張らないといけない状況にあったりすると、イライラしたりして気持ちが不安定になります。
また、産後血虚は肝臓の他にも脾臓や腎臓に影響を及ぼすことがあります。
これらも出産後の産褥期に起きやすいものになります。
産後の血虚状態は養生をしっかりとすることで自然に回復していくものですが、育児環境や本人の体質により十分回復しきれずにいる方も少なくありません。
当院の施術では、産後血虚を回復させるにために二つのポイントから処置していきます。
このように施術していくことで、出産の消耗からの回復を目指していきます。
出産後、数年してもまだ産後の不調が続いているという方もおられますが、そのような場合でも、上記の方針でもって施術をしていきます。
現代社会では、産後の養生が十分にできる環境でなかったり、日常生活において目を使うことが多く、そもそも血の消耗が多い環境となっています。
そのため、産後養生においてただ休むだけでなく積極的なケアでもって消耗を回復させることが重要です。当院も前述のような施術で、お力になれればと思っています。