主訴:妊娠後期の腰痛
妊娠8~9か月ごろから少しずつ腰が痛くなりだす。同じ姿勢でいるときが特にしんどい。
■東洋医学的診断と治療
この方の脈は妊娠時に主に見られる滑脈という脈でした。
妊娠して10か月赤ちゃんを大きくしていくという過程で、腎臓が重要な役割をしますが、その腎臓の気が旺盛になると出てくるのがその滑脈です。
つまり、妊娠時において、正常な脈であるはずですが、ただバランスがよくありませんでした。
脈は滑脈なのですが、腎臓の部位はやや弱い脈になっており、旺盛な気が腎臓に行っていない状態だったのです。
そして全身の経絡を丁寧に観察すると、その旺盛な気は胃の経絡に停滞していました。
以上の事から、妊娠時の旺盛な気が、胃の経絡に停滞したことによる腰痛と判断し、施術を行いました。
胃の経絡の足三里というツボ、そして腎臓の気を助ける太谿というツボなどを用い施術を行いました。
初回の施術で痛みの寛解が見られ、その後も時々施術を行い、悪化することなく、無事出産となりました。