主訴:喘息・呼吸困難
普段から、呼吸がしづらそうで元気がない。時々、喘息症状も出る。
■東洋医学的診断と鍼灸治療
男の子にしてはおとなしい感じのする子です。
脈をとってみますと、特に右手の上半身を診る部分に、つっぱった感じの弦脈がでています。
これは、気の流れが閉じてしまっているのを意味します。
そして背中を診ると右の肝兪というツボが膨隆しています。
弦脈は肝臓の気の収斂でも出てくる脈であり、ここから肝臓に気の停滞があることがわかります。
元来、子供は肝気が旺盛でその気が伸び伸びとしているのがいいのですが、このお子さんの場合はそれが抑えられているようです。
また、家の付近に大きな道路があり、空気があまりよくないとのことです。
以上から、伸び伸びとできない肝臓の旺盛な気が、空気の悪さによって弱った肺の動きを妨げていると判断し鍼灸治療を行いました。
施術には刺さない銀の鍼を使いました。
それを上記の右の肝兪にあてると、上半身を中心に汗をぶわっーとかいていきます。これは、欝滞していた気の発散がみられた証拠です。
治療後は、脉のつっぱりが緩み、顏色が明るくなって元気が戻ってきていました。
その日の話を後から聞くと、帰りは食欲も出てきたとのことで、とても喜んでいました。
その後もちょくちょく治療を受けていますが、前ほど呼吸を気にすることはなくなったようです。