主訴:PMS(月経前症候群)
3年ほど前から、月経前に、イライラ、やる気が出ない、眠くなるといった精神疲労状態が続くようになった。
また、普段からある肩こりや腰痛といった症状も月経前にひどくなる気がする。
その他に便秘も気になる。
■東洋医学的診断と鍼灸治療
この方の右脈は引き締まりの強い弦という脈。
これは肝臓の気によるものなのですが、このようになった原因として血の不足が考えられます。
もう少し詳しく言うと、血を構成する水分の不足です。
というのも、身体の水分減少を示す便秘という症状があるからなのです。
また、腹部を診察すると、左右の下腹部が堅くなっています。
下腹部は水の管理を行う腎臓の働きを診る場所でなので、ここでも水分の問題がうかがえます。
以上から、身体の水分減少によって血の不足が生じ、肝臓の気が引き締まったことによる症状として鍼灸治療を行いました。
施術は水分生成の源である胃の足三里というツボ、同じく大腸の曲池というツボ、そして肝臓の引き締まりを緩める太衝というツボを用いました。
初回診察時、月経中で腰の痛みがあったようですが、施術後になくなったとのことでした。
その後も、同じように施術を続け、その次の月経時には症状が半分ほどに、その次にはほとんど消失してしまいました。