主訴:群発頭痛・右首~肩の凝り
10年前くらいから時折、右頭部~顔面部にかけて痛みがでる。風にあたったりすることで痛みが増す。
痛み方は最初、重たく何かに覆われているという感じがしてそこから痛みへと進む。
今回は8月くらいに始まり、9月に入って毎日起こるようになる。
右首から肩にかけての凝りがあって頭痛と連動している気がする。
MRI・CTなどはまったく異常なく、群発頭痛と診断されるも、有効な手立てなく当院を受診されました。
■東洋医学的診断と鍼灸治療
痛みが強い場合には弦脈というものが出やすいのですが、この方の場合は緩脈という脈になっており、ここにこの方の特徴があります。
緩脈は字のとおり、脈が正常よりも締りをなくした状態で、なおかつ少しだけ脈来が遅いというものです。
この緩脈が指をやや深くおさえてわかるくらいの沈んだ位置にありました。
これは動きの重い湿気の邪気が身体に多いことを示す脈です。
さらに腹部を診察すると、腹壁全体に堅くなっていてへその横とみぞおちの外方は触るとかなりの痛みがでました。
問診では群発頭痛は忙しいときに起こりやすく、その時は食事内容が乱れやすいということがわかりました。
以上から、食生活が調わないために胃腸から発生した湿気が胃の経絡に停滞したことで起こった頭痛と判断し鍼灸治療を行いました。
施術は胃の経絡にあるツボはもちろん腹部における湿気の停滞にも処置を加えていきました。
一回目の施術後の時点で覆いかぶさるような感覚は消えていき、その後も痛む部位が徐々に狭まっていき、最終的には痛みは感じなくなったようです。