主訴:椎間板ヘルニアによる腰痛(臀部及び腰上部)
来院半年前くらいから痛みが出て、病院にて椎間板ヘルニアとの診断を受ける。一旦痛みが治まるものの、再び出てきたため当院を受診。
痛みは臀部(どちらかというと左)と左腰上部、そしてソケイ部にあり。
その他には肩こりがあるくらい。
■東洋医学的診断と鍼灸治療
この方の脈は左右共に深く沈んだ脈で、形状は表面は堅いが中は緩んでいる脈でした。特に左の下半身を見る部位でこれが顕著に現れており、ここだけ脈がやや浮いている状態です。
緩んでいる脈で沈んでいる場合は、体内に湿気が多く、そのせいで重たくなっていることを示します。
そして表面が堅いということは、その湿気が表面で停滞していることになり、これが痛みの原因となっています。
症状がある左の下半身のところで、堅さが強いことでもそれがわかります。
この体内の湿気ですが、胃腸の働きが悪くなることで増えてしまいます。
問診にて普段の食事が肉系脂系が多いとのことでしたので、それらの多食が湿気を増やしたと考えられます。
また、尿が近く色が濃いということから、湿気の熱が膀胱にも影響を及ぼしていると考えられます。
以上から多食による湿熱が膀胱及び膀胱経に停滞したことによる腰痛、臀部痛と判断し鍼灸治療を行いました。
治療は主に胃の経絡にある足三里というツボ、膀胱経上にある胃のツボなどを用いて施術を行いました。
初回施術後、痛みが三割ほど減少し、尿回数も減少しました。
しばらく治療を続けていると、腹部違和感が生じ便通が軟らかくなりました。
1週間ほどその状況は続きましたが、同時に痛みはほぼなくなったとのことです。
これは体内の湿気が外へ出て行ったことを示すものです。