主訴:関節リウマチ・身体のだるさと疲れ
仕事の疲れやストレスが多かった8年前に発症。最初は膝、手首に始まり、現在は肩、手首、膝、足首に痛み。
梅雨時や雨天の前に調子が悪くなりやすい。また、気温の変化で身体の疲れやだるさがでやすくなる。
■東洋医学的診断と鍼灸治療
この方の脈の特徴はまずその形状にありました。
弦脈という弦のような突っ張り感のある脈です。この脈は痛みがある時に出ると言われます。
さらに良く脈診すると、その脈は皮膚の浅い部分で強く、深くおさえると弱くなることがわかります。
このような場合の弦脈は身体の水分の不足により、余分な熱が発生していると捉えます。
その次に、脈の流れ方にも特徴があり、右手の脈の丁度真ん中あたりが小指側に蛇行しています。
これは脾臓の経脈に悪い流れがあることを示すものです。
仕事の忙しさや梅雨時に疲れやだるさが増すという症候も脾臓が原因で悪くなることが多く、脾臓が余分な熱の発生源だとわかります。
この方の下腿はむくみが出ていて、それでいてだるさが出ていましたが、脾臓の弱りと余分な熱により湿気が増えてしまい気の流れが重たくなっていることによるものと推測できます。
関節部分においても、湿気の停滞と余分な熱により痛みが出ています。
以上から、脾臓の弱りから発生した水分不足からでた余熱が湿気を生じ、関節に停滞したことによる症状と判断し鍼灸治療を行いました。
施術は右膝の内側になる陰陵泉というツボや余分な熱が多く停滞していた小腸の経絡のツボなどを用いました。
一回目の施術の後は、疲れやだるさが取れて元気になり、尿量が増えました。
尿量が増えたのはむくみの水が減ったということです。
痛みの方も治療を重ねていくことで軽減されているとのことです。