主訴:冷え症・しもやけ・口唇が青くなる
20代の頃から、夏場でも足が冷えやすく、冬はしもやけがよくできる。唇が青くなりやすく、口内炎もできやすい。
頚のリンパがゴロゴロして腫れることがあり、以前には発熱、咽痛、だるさで入院したこともある。
他には胃の調子が悪くなりやすい。
■東洋医学的診断と鍼灸治療
この方の脈は両脉とも表面に脈力がなく、細い毛脈という脈になっていました。これは身体の表でめぐる陽気が少ないときに出る脈です。
その中で左の一番手首側では、やや脈力が強くなり、内側にキュッと入り込んでいます。
全体に陽気が少ない時はこの脈も同様になりますが、上記の脈の場合はそこに熱があると考えます。
口内炎ができやすかったり、頚部リンパが腫れやすいという状況からも何かしらの熱があると推測できます。
腹診では、みぞおちの心下と呼ばれる部分がつまっており、さらに背中にある心兪、厥陰兪というツボに反応があります。
問診では食べ過ぎや脂ものなどで胃の症状が出やすいとのことで、これは胃の陽気も少ないことを示します。
以上から胃の弱さから血の陽気が作れず身体が冷えやすくなり、残った熱が上半身に停滞することで起こった症状と判断し鍼灸治療を行いました。
施術は左の手首にある心包経と呼ばれる経絡のツボ、足にある血に関わる三陰交というツボなどを用いました。
施術後は足が温まりやすくなり、しばらくの間は口内炎もできなくなりました。
外気が冷えてきてもある程度の温かさは保っており、しもやけもできることはなくなったとのことです。