主訴:原因不明の全身筋肉痛
夏頃、朝吐き気を催し、病院で胃腸風邪と言われるも治まらず。その後、全身の筋肉が痛み出し検査をするも異常なし。
線維筋痛症の疑いありだが、可能性は低いとのこと。痛みは運動後や筋肉を使う動作、勉強などで悪化する。また痛むときは熱感がある。
■東洋医学的診断と鍼灸治療
まず脈をとると、浮弦という脈でした。浮と言うのは体表近くに脈があり、そして弦とは堅く引き締まった脈というものです。
また、脈に圧を加えて深く押さえると体表付近とは逆に脈があまり感じられません。
これらが示すのは、体内の陰気=水気が減少して、気血の流れが体表に上がっており、なおかつ停滞が起こっているというものです。
弦脈は肝臓、胆のう及びその経絡に問題があるときに出る脈ですが、浮脈と合わさって出ていることから、停滞が経絡にあることがわかります。
吐き気も胆のうの経絡において気滞があると出てきます。
身体全体に熱感があり、気滞が熱を持っていることもわかります。
以上から、体内の水気が減少し、気滞が熱化して胆のうの経絡に停滞していることから起こった筋肉痛と判断し施術を行いました。
施術には胆のうの経絡に水気を送るために侠谿というツボ、また水気を作り出すために脾臓、腎臓の経絡のツボにも施術を行いました。
回を重ねていく内に、弦脈が柔らかくなりそれにつれて痛みの度合いも減少、今では痛みがでることはなくなっています。