主訴:月経困難症
月経が始まった後の初日~2日目において、腹痛、頭痛、下部腰痛がひどい。痛みが強く起きれずいつも薬を飲んで寝ている。
またストレスがかかっているときなどは、上腹部に痛みが出ることが多い。お通じは軟便が多い。
■東洋医学的診断と鍼灸治療
脈診をしてみると、脈のふちが少し判別しづらい緩脈という状態。やや強く押さえてみると緩みと滑脈と脈が混ざっている状態でした。
これは、脾臓の働きが弱まり、食べたものが上手く消化吸収できずに湿邪を形成している時に出る脈です。
湿邪とは、体内を流れる水が少し粘りをもってしまったもので、気の流れを悪くしてしまう要因となるものです。
腹部を診てみると、全体に堅さがあり、手が入りづらい感じがあります。これも腹部内において湿邪が停滞している証拠になります。
ストレスがかかった時に腹痛が起こる、軟便が多いというのも、脾臓の弱りを示すものになります。
以上から、脾臓の弱りから来る湿邪の停滞による気の巡りの悪さが原因として施術を行いました。
施術は脾臓の経絡の湿邪を捌くために使う陰陵泉と言うツボを中心に行いました。
まず最初の1~2回で、お通じが固まりだしました。その後、施術開始から2回目の月経から痛みが減り出して、5回目の月経時には、ほぼ痛みがなくなりました。