主訴:胃がん摘出手術後の抗がん剤治療における体調管理
左背中~腰への痛みがあり、もしかしたらと受診し、胃がんが見つかる。手術で摘出することになり、その後の抗がん剤治療時の体調管理として当院にお越しになる。
抗がん剤後は、かなりきつい食欲不振、食後の胃もたれ感、身体のだるさが現れる。
昔からかなりの便秘症、さらに左臀部から下肢にかけて坐骨神経痛あり。
■東洋医学的診断と鍼灸治療
脈診にて身体を診ていくと、細脈という脈の幅が細くなった脈。この脈は気の総量が少なくなった結果、脈の幅が縮小した時に現れ、胃で作られる気の減少を示します。
さらに細脈にやや堅い緊脈が加わっており、胃の気の減少が多いことを示します。
そして腹部を診察すると、おへその上あたりからみぞおちまでにかけて、張って抵抗があります。
手術で胃がなくなってはいますが、この抵抗は胃の気の減少を表します。
以上のような状態ですので、施術は胃の力=食べ物を受け入れ消化し、排便する力を助けることを中心に考えて行いました。
施術は腹部の真ん中の中脘という胃のツボにささない金鍼にて、気を補う処置。その他にも便秘を解消できるように、左の腰にあるツボなどに施術を行いました。
施術後は食欲が増し、抗がん剤による食欲不振も軽減しました。
現在は抗がん剤も終了し、食べられる量も増え、便通も以前より回復、そして腹部にふくよかさが現れ体重も少し増えています。