主訴:アトピー性皮膚炎
高校生ぐらいから症状が出始め、20代が最も悪化する。出産後は一時落ち着いていたが、3年ほど前から再び症状が出る。
症状は背中の肩甲骨周辺、腰部、腹部、上腕に出ることが多い。肌が乾燥して痒みが起こる。
その他の症状としては、月経量が多い、筋肉のひきつりが多い、便秘がち。
■東洋医学的診断と鍼灸治療
この方の脈は全体が滑脈と緩脈が混ざったような形で、特に左脈の真ん中である関位において浮滑となっていました。
緩滑の脈は滑のなめらかな流れが、やや粘ることによって流れが少し滞る状態を指します。脂っこいものなどを良く食べる方が胃腸の働きを崩してしまう現れます。
前述の左脈の真ん中は体内の脂を扱う胆のうの部位です。つまり血液の脂分が多いために胆のうがそれを処理しきれていないことを示します。
舌を拝見すると、暗い紅色。これはオ血の証候で血液が粘り流れが悪くなっているためです。
以上から油脂分を食べることが多く、脾臓が疲れたことにより、血液が粘り流れが悪くなったことによって、皮膚の炎症が起きた状態と判断し施術を行いました。
施術には胆のうの経絡にある臨泣というツボを中心に、胃腸のツボである陰陵泉などを組み合わせて行いました。
まず、便通が整いだし、しばらくすると痒みも減少していきました。
さらに、薬を使う回数が減り、症状が出ても施術すればすぐ回復するようになったとのことです。