主訴:月経時の頭痛
若い頃から月経時に頭痛に悩まされる。出産前までは、月経前に頭痛や眠気があったが、3ヶ月前くらいから月経中に頭痛、腹痛が起こるようになった。
出産後は体力の回復が遅く目が見えにくかったり、息が上がりやすくなったり、疲れがでやすくなる。
今は頭痛が出ると薬を飲んでいるが、できれば薬は飲まないようにしたい。
■東洋医学的診断と鍼灸治療
この方の脈は全体に沈んだ脈で、形に関してはやや力なく弾力のない緩んだ脈になっていました。右脈の下半身を見る部位はさらに弱い脈で、また左脈の頭部を見る部位はやや堅いという状態。
沈んで力のない脈は、気血の両方が少なくなっていると見ます。そして左脈は頭痛を起こしている部位の気の停滞を示します。
話を聞いていくと、出産時などに貧血で鉄剤を服用したことがあるや、出産後の体力回復が遅いということがわかりました。
次に背中を診ていくと、右の腰辺りから背中にかけて、筋肉の張り及び熱感がありました。
以上から体質や出産により気血が不足し、そこから発生した虚熱が上半身へ上がり頭痛を起こしている状態として施術を行いました。
施術は気血の弱りを助けるために、腎臓の経絡のツボ、そして熱を取るために相火の経絡である胆経のツボなどを用いました。
術後は脈が大きくなり気血が増え、眠気が出てきたとのこと。この眠気は身体が疲労を回復させようとしたものです。
数回した後の月経では頭痛の程度が減り、薬の服用も減りました。今は薬を飲まなくても済むことが増えてきています。