「鍼に抗酸化作用はありますか?」

2014年03月13日無何有(むかゆう)の質問コーナー

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久々の、無何有(むかゆう)の質問コーナーです!!
今回は、第10弾!!

早速、質問を見てみると、

「鍼に抗酸化作用はありますか?」

です。

実は、これはけっこう難度の高い質問なのです。
というのも、この手の質問の場合、 化学的生体反応を東洋医学的生体反応に置き換えて考察しなければならないからです。

ですのでまず、「抗酸化」の話を。

ご存じのとおり、人間の60兆ともいわれる細胞は、酸素を用いて有機物を燃焼(酸化)させ、エネルギーを作り出しています。
人間の身体が、常に一定の温度を保っているのは、この燃焼のおかげです。

このように酸化反応というのは、生きる上で不可欠なのですが、抗酸化という言葉の中の酸化とは、活性酸素による酸化反応のことを指します。

活性酸素は、不安定な状態なので、周りの多くの物質を次々と酸化させます。
それが、細胞の正常な働きを失わせ、老化やガンや糖尿病など疾患を引き起こす原因になると言われているのです。

活性酸素は通常の燃焼でも作られるのですが、必要以上に作られることが問題なのです。

この活性酸素が必要以上に増えてしまうと、その酸化作用によって、生体における通常の燃焼とは、別の燃焼が起きてしまう と考えることができます。

つまり、抗酸化とは、必要以上の燃焼(酸化)を抑えることになります。

では、これをふまえて、本題です!

東洋医学においても、【人間は常に燃焼している】という考えが成り立ちます。
そして、その燃焼が過剰にならないように存在しているのが、体内の水分と考えます。

東洋医学においては、【燃える=火】と【冷やす=水】が、人間の生命活動の中心と考えているのです。

活性酸素による酸化反応が、通常とは違う別の燃焼として考えられるならば、東洋医学においてのそれは、燃える火の過燃焼という状態に当てはまります。

また、活性酸素を抑える抗酸化物質の存在は、火の過燃焼を抑える水となり、もし抑えることができないならば、それは水の不足という状態となります。

鍼灸治療において、燃える火の過燃焼を抑える方法や、水の不足を補う方法があるのか、ないのか?
答えは「ある!」です。

臨床においても、鍼を続けているうちに、肌艶がよくなったり、肌の乾燥が潤ってくるという事例もよくあります。

結論としては、前述の理論的背景と、この臨床での変化を見ていると、鍼自体に抗酸化作用があるというより、やり方次第で、

【活性酸素を発生しにくくしたり(過燃焼の抑える)、身体の抗酸化システムを活性化(水の不足を補う)できるのではないか】

と、無何有(むかゆう)では考えています。

いかがでしょうか?
少し複雑な内容になってしまいましたが、人間の身体のことを解明していく上で、このように考えていくことも、東洋医学には必要なのです。

では、また次回をお楽しみに!!

この記事を書いている人

魚住 健鍼灸専門治療院 無何有(むかゆう) 院長 / 鍼灸師
●兵庫県尼崎市生まれ、15歳で西宮市に引越す。
●兵庫県立西宮高等学校卒業
●関西大学社会学部在学中に森ノ宮医療学園専門学校鍼灸学科に入学し、ダブルで卒業。はり師・きゅう師の免許取得。

小学校4年の時に、バスケットを始め、そのせいかグングン身長が伸びる。開院当初は自分に治療をしつつプレーしてましたが、さすがにみる専門へ。

<学生時代>
●師匠となる石原先生の研究会で脈診を主体とする東洋医学・伝統鍼灸の素晴らしさに出会い、奈良・学園前の石原妙鍼堂にて研修を開始。

<免許取得後>
●千里中央・前田医院にて、西洋医学の学びを深めながら、鍼灸治療を担当。
●京都東山・HYATT REGENCY KYOTOの鍼灸師チームに加わり、海外の方や、伝統芸能に携わる方々の治療を行う。
●師匠の石原先生と共に、京都四条大宮・東洋医学の妙鍼堂にて鍼灸治療を担当。師匠の代診もおこない、がんや難病の方の施術も経験。

<開業>
●西宮市甲風園にて、鍼灸専門治療院 無何有(むかゆう)を開院。

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