西洋医学の常識から言えば、手首の動脈で病気のいろんなことがわかるというのは、とんでもない話かもしれません。
しかし、現実には血圧、脈拍以外のもっと多くのことがわかります。
それはなぜか?
理由は簡単でありながら、少し難解かもしれません。
それは、脈に身体のすべてが現れるという意識で見ているかどうか?ということなのです。
日常の生活でも経験があるかもしれませんが、人間は意識していないことはいとも簡単にスルーしてしまうのです。
東洋医学では、【部分は、全体の縮図である】と考えます。
人間の身体が小宇宙と考えるのもその考えが基礎になっているのですね。
脈診をするあの部位に身体が全体が収まっている。
そういう意識があったからこそ、身体の状態によって違う脈に気付くことができたのです。
西洋医学的な視点で、とんでもないというのも、そういう意識がないから気づきようがないということです。
ところで、これは患者さんに聞いた話ですが、
金属の板を完全なる水平に削ろうとした時、機械ではそれができず、職人の手でならできるそうです。
職人さんが意識して面を触り、感覚で水平でないところを見つけるのです。
つまり、人間の感覚は、意識すれば機械よりも繊細な感覚を生み出す、ということなのです。
脈診でも、鍼灸治療においても、意識の力によって研ぎ澄まされたその感覚によって、身体の微細な変化を捉えます。
意識しているからこその技術なんですね!
この記事を書いている人
- ●兵庫県尼崎市生まれ、15歳で西宮市に引越す。
●兵庫県立西宮高等学校卒業
●関西大学社会学部在学中に森ノ宮医療学園専門学校鍼灸学科に入学し、ダブルで卒業。はり師・きゅう師の免許取得。
小学校4年の時に、バスケットを始め、そのせいかグングン身長が伸びる。開院当初は自分に治療をしつつプレーしてましたが、さすがにみる専門へ。
<学生時代>
●師匠となる石原先生の研究会で脈診を主体とする東洋医学・伝統鍼灸の素晴らしさに出会い、奈良・学園前の石原妙鍼堂にて研修を開始。
<免許取得後>
●千里中央・前田医院にて、西洋医学の学びを深めながら、鍼灸治療を担当。
●京都東山・HYATT REGENCY KYOTOの鍼灸師チームに加わり、海外の方や、伝統芸能に携わる方々の治療を行う。
●師匠の石原先生と共に、京都四条大宮・東洋医学の妙鍼堂にて鍼灸治療を担当。師匠の代診もおこない、がんや難病の方の施術も経験。
<開業>
●西宮市甲風園にて、鍼灸専門治療院 無何有(むかゆう)を開院。
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