中国の昔の書籍に『金匱要略』という本があります。
いつ頃に書かれたかは研究者でもはっきりとしないようですが、すごい人が書いたというのは間違いありません。
その中に「新産婦人に三つの病がある」という項目があります。
その三つの病とは、
①痙病→筋肉が引きつる病
②鬱冒→頭部が覆われたように感じる症状
③大便難→便秘のこと
というもの。
その原因として【産後血虚】と書いてあります。(血虚とは血の減少と考えてください。)
つまり、出産で血が減少することから病気が起こると考えているのです。
一昔前は「産後の肥立ちが悪く・・・・」などということがあったように、出産による消耗には、【回復に時間がかかる】や【体質が変わる】といったことが伴います。
当院でも「出産後から起こった身体の不調」を主訴として来院される方が多くおられます。
産後のうつ症状、強烈な肩こり、パニック症状、月経困難症など症状の出方にはいろいろあるのですが、書籍に書いてる通り【出産による血の減少】として鍼灸治療をすることで、良い治療成績が出ています。
また、出産して数年が経過していてもなお影響を受けていることがあります。
その場合も同様に考えていくのですが、ただ更年期の身体の変化が関わっている方もおられますので、身体を詳細に診ていくことを必須とします。
※文中の【血の減少】とは必ずしも貧血状態を指すものではなく、東洋医学的に考える【血の減少】とお考えください。
この記事を書いている人
- ●兵庫県尼崎市生まれ、15歳で西宮市に引越す。
●兵庫県立西宮高等学校卒業
●関西大学社会学部在学中に森ノ宮医療学園専門学校鍼灸学科に入学し、ダブルで卒業。はり師・きゅう師の免許取得。
小学校4年の時に、バスケットを始め、そのせいかグングン身長が伸びる。開院当初は自分に治療をしつつプレーしてましたが、さすがにみる専門へ。
<学生時代>
●師匠となる石原先生の研究会で脈診を主体とする東洋医学・伝統鍼灸の素晴らしさに出会い、奈良・学園前の石原妙鍼堂にて研修を開始。
<免許取得後>
●千里中央・前田医院にて、西洋医学の学びを深めながら、鍼灸治療を担当。
●京都東山・HYATT REGENCY KYOTOの鍼灸師チームに加わり、海外の方や、伝統芸能に携わる方々の治療を行う。
●師匠の石原先生と共に、京都四条大宮・東洋医学の妙鍼堂にて鍼灸治療を担当。師匠の代診もおこない、がんや難病の方の施術も経験。
<開業>
●西宮市甲風園にて、鍼灸専門治療院 無何有(むかゆう)を開院。
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